進歩する薬事情 QOL改善が生存率を上げる

進歩する薬事情 化学療法における遺伝子治療

増加する癌患者の中で罹患率第1位は大腸がんで、次いで肺癌と胃癌で4位の前立腺癌の98400人に大きな差を付けて大腸癌135000人、肺癌133500人、胃癌13300人と罹患率トップ3の癌となっています。
その中でも、日本人女性や喫煙歴のない人に急増している罹患率2位の肺癌ですが、罹患後の死亡率の高さは、77200人とトップで、大腸癌の50000人を大きく上回っています。
肺癌の場合、発見時に進行しているケースが多く、もっとも治療が困難な癌であると言えます。
進行性の肺癌で手術や放射線治療が出来ないステージでは化学療法のみとされ、抗癌剤の副作用により免疫力を損なわれ、十分な効果が得られないこともあります。
近年、遺伝子治療が進み、分子標的薬の開発により適合する遺伝子が見つかった場合、癌のみをターゲットとして狙い撃ちし正常細胞にダメージを与えず、生存率を大幅に上げる治療が進んでいます。

QOLの改善が治療効果や生存率を上げる

分子標的薬の登場は進歩する薬事情を証明するものですが、進行性肺癌でステージ3Bや4である時、他の臓器に転移巣がある場合や肺内転移を起こしている患者さんの場合、すでに根治不可能ということが多いでしょう。
この場合、即「死」を考えるのではなく、いかに生存期間を長くするかが必要となります。
分子標的薬の開発により、遺伝子検査でALK遺伝子やEGFR遺伝子が発見された場合、それらの遺伝子のみを標的に癌細胞を極小化する作用があり、これにより癌の成長を抑えることが出来ればQOLを向上させることが可能で、生存期間が大幅に延長さえるケースが臨床データから出ています。
根治は難しくても、生きることにこだわり、日常生活が可能であれば、ステージ4でも末期とは言えないでしょう。

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